2015年3月16日月曜日

3年生 ワールド・ワイド・クモノス!

3年生が教室から図工室に向かって歩いてくる時、
どんなことを考えているんだろう?
そんなことを想像してみました。
図工室に来るまでの道に、何か仕掛けをつくれないだろうか?
例えば、「図工室に入る」という簡単なことを、
授業への緩やかな導入にできないか?

3年生が図工室に入ろうとすると、
そこには、毛糸でつくられた巨大なクモの巣が・・!!

このクモの糸に引っかからないように、
図工室の中に入らなければいけません。

 引っかからないように、
くぐったり、またいだり、バランスを崩さないように
全身を動かします。

これは、身体と頭の準備体操なのです。

こうして、クモの巣の世界に全身で入ってきます。

さあ、今日の授業は「クモの巣大作戦!」
クモになって、図工室に巣をつくります。

毛糸を結んだり、養生テープでとめたりして、
場所に働きかけます。

頭上に渡してある4本のワイヤーに糸を引っかけると、
自然と「たわみ」が生まれ、
それが、重なり合い、響き合います。

タテ、ヨコ、ナナメ
自由自在に毛糸を渡していく。
巨大な織物のようにも見えます。

一本の線が、面になっていく面白さ。

どこで誰の糸と交わる?
みんなの糸が重なり、結びつき、
偶然の色の組み合わせが生まれます。
  
とうとう天井にも巣がつながりました。
友達と協力しながら知恵をしぼって、
何とか取り付けました。

こうして、クモの巣はどこまでも伸びていき・・・ 
水道の蛇口も!

引き出しの中も!

今度は、何を始めるの??
毛糸をテープに貼り付けて、
何かつくりはじめた!

ここには、スズランテープでつくった「のれん」?

毛糸の交じり合ったところに、
何か乗せられないかな?

虫の図鑑を開いて、絵を描き始めました。

なるほど、クモの巣にかかった獲物!

こちらでは、毛糸にトイレットペーパーの芯をつけて

引っぱると何かが起こる仕掛け!?

実は、この活動中にこんな会話がありました。
「ここからは、俺たちの巣だから、入ってくるな」
そう言って、スズランテープでバリアをつくりはじめたのです。
どうなるだろうと、見守っていると、
授業の後半になって
そのバリアのテープに、
「みんな通っていいよ」という張り紙が付けられ、
他のチームと一緒につくりはじめたのです。 

クモの網を示す「ウェブ」や「ネットワーク」という言葉のように、
一本一本の糸は、どこかで交わり、
全員がつながっている、いわば「通信網」なのです。

一人でやっているようで、
実は全員がつながっている。
試しに、目の前にある毛糸を引くと、
教室全体が揺れるのがわかります。
クモの巣には境界はありません。

もう少し、あと少し、
手を伸ばせば、越えられる。
自分で糸を伸ばしていくことで
自分の世界は広がる。
ワールド・ワイド・ウェブ(くものす)!

さあ、こんな図工室見たことないでしょ?
みんなで、世界一周してごらん。

床にテープで
ビューポイントを教えてくれているチームも!

あれ、自分がクモの巣に捕まっちゃった!?
  
寝転がってみると、どう見えるの?

一人一人が体全体を働かせて、
形と色と場所に働きかけて、
伸び伸びと表現する。

その活動は、
このクモの巣が示すように、
友達と結びつき、つながり、響き合い、
みんなで織物をつくるような関係性の中で
生まれるのだと思いました。

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