2015年2月25日水曜日

1年生 すみえ の まきもの

1年生が今回使うのは、墨、毛筆、書道用紙。
習字の時間がはじまりそうですが、
今日は、書き初めで使われる半切1/2サイズの紙を
横にして使い、絵を描いても字を書いてもよい授業です。

「字は国語、絵は図工」と別々に考えられがちですが、
かつて日本の「絵巻」の世界では、
絵と字はどちらも区別なく表現されていました。
(現在のマンガも、絵と字を効果的に併せ持った表現です)

墨で絵を描くことを
「墨絵」または「水墨画」といいます。
「墨は五色を兼ねる」といわれ、
黒一色のように見えますが、
水加減によって、様々な色が現れます。
むしろ、黒一色だからこそ、
和紙の白と墨の黒の間に、
想像力がふくらむのかもしれません。

さあ、描いてみよう。 
題名を書いて、何か物語がはじまりそうですね。

黒色の絵の具とどう違う?

描いていくうちに、だんだん筆が乾いて
だんだんかすれてくる。

墨で描くと、いつもより大きく描ける!

紙が横に長いと、どこまでも描きたくなる。
紙がいっぱいになったら・・・
横につなげて、もっと長くしちゃおう!

どんどん横につながって

くるくる巻いて

そして描き続けよう

いろいろな技が生まれました。
これは「せんぷうき」という技です。

描きはじめから、横にずーーーとつづいた絵は、
一つのお話になっていたり、
一つのつながった絵になっていたりして、
時間いっぱい描きました。

長ーーーーーい船!

さあ、巻いてあった紙を広げてみると・・・

図工室の床が紙で埋まってしまった!

みんな何枚つなげたのかな??

中には向こうの壁からこちらの壁まで、
10枚もつなげ6メートルになった子もいました!

最後に、ラップの芯をのりで付けて完成。

床いっぱいのみんなの作品を見合いました。

端から端まで見るのに、
何メートルも移動してしまいます。

最後はクルクルと巻いて

巻物の完成!

授業の終わりに
「昔の本は、こういう形をしていたんだよ」
という話をしました。
少しずつ広げて、反対側で巻きながら、
横に向かってお話がつづく「巻物」「絵巻物」といいます。
今でも、本を数えるとき、1巻(かん)・2巻・3巻・・・
と数えるのは、その名残です。

墨で描く、紙が横に伸びて長い絵を描く、巻物にする
たくさんの初体験があった1年生でした。

2015年2月23日月曜日

4年生 ねん土と育つ

ねん土が大好きな4年生。
図工室に入ると、教室の後ろの方に置いてある
ねん土のバケツを見つけて
「もしかして、今日、ねん土!?」と嬉しそうです。

それもそのはず。
2年前
2年生の時に砂場でねん土の採掘にチャレンジしたり

3年生の時にも、4年生の2学期にも、
ねん土と全身でかかわりながら

いろいろな形を
つくって壊してつくって壊して…
たくさん体験してきました。
ねん土は、4年生にとって、
親しみ深い、特別な存在になっているのです。

しかし、
これまでは、つくったものは最後に元通りにしていました。
「今回は、ついに、ねん土を焼いて、形を残します」
と伝えると大きな歓声が上がりました。

はじめるとすぐに、
「ろくろ」を自分たちで勝手に見つけてきて、使いはじめました。

「ろくろ」の使い方を教えたことはありません。
全部、これまでのねん土の造形遊びの中で、
自分たちでやりながら発見したようです。

道具の使い方も

適度な水加減も
自分で判断することができる4年生に驚きました。
こつこつと積み重ねてきた体験が生きています。

 
一つのかたまりから、手だけで形をひねりだす。

自分の思いに合わせて形が変わっていくねん土

時間いっぱい集中して形にしました。

できた形を持ち寄って
いろいろ話しています。

さあ、形ができた!

これを、1・2週間しっかり乾かして
いよいよ焼いていきます。

800度で約10時間
「素焼き」をしたねん土は、
どんなふうに変身したのでしょうか?
2週間ぶりに再開した自分の作品は・・・

「焼いて前と何が変わった?」と投げかけると、
「色が変わった」
「においがクッキーみたい」
「ざらざらになった」
「ちょっと小さくなった」
「叩くと音が鳴る」等、
様々な感覚を使って、変化を感じたようです。

今回は、「素焼き」したものに、
絵の具で色塗りをして仕上げます。
これまで、造形遊びの度に
つくっては壊していた恐竜が、
今回、ついに形に残り、
色を塗る日が来ました!

じっくり

もくもく と

素焼きの「ペールオレンジ」一色の素地に、
色が加わっていきます。

細筆や
割り箸
塗る場所に応じて道具を選びます。

良い色になってきた!

こんなに小さな靴!

4年生にとって初めての「素焼き」の体験でした。



ねん土を採掘しようとチャレンジし、
固いねん土を柔らかくしようと全身でチャレンジし、
繰り返し造形遊びを重ねてきた4年生の力が
どんどん発揮されました。

授業の終わりに
「自分たちで焼いてみたい」という声が!
できるかな??
チャレンジは続きます。