2014年9月22日月曜日

6年生 どっちが本物? 目覚めよ感性!

突然ですが、問題です。
ここに14本のペットボトルに入った
色のついた液体があります。
この中には、
本物の飲料水が10本
絵の具でつくった偽物の飲料水が4本あります。
さて、偽物はどれでしょうか。

よーく見て考えてみてください。
飲んではいけません。
持っても良いので、自分の目で偽物を見抜いてみましょう。

班から一人ずつ順番に見に来ました。
いろいろな角度から見てみます。

匂いはするかな?

ペットボトルの底をよく見ればわかる?

一度席に戻って、
班ごとに話し合いはじめました。
「たぶん、1番は偽物だよ!だって・・・」

「いや、12番が怪しい! だってさ・・・」
白熱した議論が続きましたが、時間切れを迎え・・・

黒板に各チームの答えを書いてもらいました。

なんと正解したチームは・・・
一つもありませんでした!

誰にも絵の具と本物の違いが、わからない?!

このクイズと通して、
いつも自分たちがどれだけラベルに頼っていたか
いかに「よく見ていない」かを
思い知ると同時に、
絵の具で本物そっくりの飲料水をつくることができる
ことに気がつきました。

6年生が「自分もつくってみたい!」
と思ったところで、
一枚の企画書を渡しました。
あなたたちは、飲料水メーカーの飲料開発部の担当者です。
ドリンクを1人1つプロデュースしてもらいます。
今、世界にこんなドリンクを売り出したら売れる、おもしろい、
または、自分が飲みたい! と思うドリンクを考えてみましょう。

企画書を始めに書いてもよし
実際に色水づくりからはじめてもよし
大事なのは、この時間内に
自分のつくりたいドリンクのイメージをつかむこと。

自分のイメージする色や味の感じは、
どうしたつくれるのか?
限りある絵の具の色を混ぜて、
自分のイメージに近づけます。

イメージに近づいて来た?

一つできるともう一つつくり、
二つを比べて一つを捨てて、
また新しくつくって・・・

時々企画書に戻って言語化して・・・

このようにいろいろな角度から
自分のイメージを深め、広げていくことで、
どこにもない、自分のアイディアを探りました。





いろいろな飲料水が生まれました。
まだ世界にない新しいものをつくろうとする6年生。
常識にとらわれない自由な発想に驚かされます。

ラベルのデザインからイメージを膨らませる。

ドリンク名やキャッチコピーからイメージを広げる。

ありえないけど、
興味をそそるユニークなアイディア。


実在する飲料水のパロディーもおもしろい!
こんなコラボあったらいいのに・・

自分の想像を形に表すことができるのか・・
次回は、いよいよ飲料水のラベルをつくりはじめます。

【導入のクイズの答え】
偽物は4、5、8、13の4つ。
4番 緑+黄緑+茶色+白
5番 黄土色+黄色+橙色
8番 黄色+黄土色+緑+白
13番 白少々

【この導入について】
 ものの差異を見分ける(身分ける)ということは、日常生活の中で当たり前に行っていますが、言葉によって区別する(言分ける)ことの方が、現代では増えているように思えます。
 例えば、ドリンクに名前がついていたり、ラベルというある種の言葉(記号)がその違いを示してくれることによって、その色の違いについてはあまり意識的に区別する必要がなくなっています。
 飲料水だけでなく、私たちは、先回りして教えてくれる情報のおかげで、いろいろな物について、その違いを、自分で見分ける力が乏しくなっているように思えます。


 言語能力の大切さは注目されますが、言葉で分けることに頼り過ぎた結果、人は、ものの違いについて、五感を使って「身分ける」ことができなくなってしまわないのか。
 図工という教科で最も大切にされている「感性」というものがありますが、感性とは、まさにこのような、ものの違いを身分ける、誰もが潜在的にもっている性質のことだと思っています。
 人のもっている「感性」を目覚めさせること。教えるとか、覚えさせるではなく、目覚めさせる体験を準備する。
 これは、図工という教科の使命の一つだと考えています。

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