9月の授業
水と絵の具のにじみがつくり出す偶然から、
美しさを見付けた6年生。
自分だけの力ではなく、
自然に美しさが生み出される体験は、
6年生の川柳にも表れました。
絵の具との 偶然を待ち 水垂らす
(6年児童 作)
言葉にするのが難しい、色や形の美しさがあります。
人が何かを「美しい」と思うのは、なぜなのでしょう。
さて、明かりが消えました。
まったく何も見えません。
この暗闇の向こう側には、あの美しい色があります。
どんな窓から向こう側が見えたらきれいだろう?
暗闇に、デザインカッターナイフで
一つ一つ穴を空けていきます。
暗闇という0(ゼロ)の世界から、
自分なりのテーマを見付けることは、
とても難しい作業です。
ステンドグラスの模様をヒントにしたり、
図鑑の写真や、画集の絵にヒントをもらいながら、
暗闇に明かりを灯します。
限られた時間の中で、終わらせなくてはならない。
アイディアをただ考えているだけでは、間に合わない。
とにかく手を動かします。
手を止めず、目の前の一つ一つに集中する。
その連続がたくさんの模様となり、
どこかで「美しい」が生まれるのを待ちます。
さて、後ろの絵と合わせてみよう。
どうかな?
どの向きに合わせるのがいい?
もっとよくするには、どこに穴を空ければいい?
そして、最後の仕上げにとりかかります。
できました。
後ろの絵に貼り付けて完成です。
偶然が 生み出す奇跡 待っている
(6年児童 作)
自分がつくるのではなく、何かが起こるのを待つ。
表現するというのは、そういうことかもしれません。