6年生は、さくらの絵の続きです。校庭のさくらは、もうすっかり散ってしまい、今は新緑です。あとは記憶を頼りに続きを描くしかありませんが、今日からは背景を描きます。
背景はスケッチをしなかったので、見たように描くことはできませんが、「自分が描いたさくらが引き立つように描く」という目標で取り組みました。
また、さくらを描いた水彩絵の具ではなく、粉絵の具やパステルで描きました。
指先を使って、空の色が自然になるようになじませていきます。 |
青と白を混ぜて、白い雲の浮かぶ青空を描いています。 |
さくらを描く今回の題材は、「見える物を見たままに描く」という、やや技能的な題材です。このような題材は、苦手意識の強い子も多いと思います。それは、見えている景色と自分が描ける絵との間のギャップに対するストレスであったり、自分の技能の至らなさを知り、つまらない気持ちになるからだと思います。
しかし、間違えないようにしたいのは、図工科は「絵をうまく描くこと」を目指してはいないということです。つまり、絵の出来映えの良し悪し(そもそも、そういうものは測ることはできません)を評価しません。
図工科の目標は、描いたりつくったりする活動を通して「様々な感覚・感性を働かせる」こと。「何かをつくりだす(クリエイティブする)楽しさや喜びを味わう」こと。そして、「絵の具の使い方やのこぎりの使い方、カメラの使い方など、表現するためのとても基礎的な知識や技能を経験から学ぶ」こと。それだけです。
だから、「絵がうまいかどうか」ということを評価しないのです。「絵がうまい」と言われれば、誰でも嬉しいですが、一方で「絵がうまくない」と言われて、つくり出すことの喜びを味わう人はいません。そのような安直な評価は、人に感性を働かせることすらあきらめさせてしまいかねません。
私には気になっていることがあります。それは、「先生、これで完成でいいですか?」と質問する子がとても多いことです。はっきり言って、そんなこと聞かれてもわかりません。自分の作品の完成は、自分で決めてください。こうやって描けばうまくなるとか、そういうものは、本当にどこにもありません。あったら私も知りたいところですが、残念ながらわかりません。それに、もしもそういう答えがあったとしても、「こうやって描きなさい」といわれて描くなんて、何だかつまらないと思いませんか。
何かの型にはめようとか、器用に上手く描こうと思わず、自分の中から生まれてきた色や形を、へたくそでも怒らないので、自分なりに表現してほしいと思っています。
もちろん、具体的に、こんな色をつくりたいとか、「こんなことをしたいけど、やりかたが分からなりません」という場合には、相談してほしいと思います。一緒に考えていきましょう。
長くなってしまいましたが、子供たちが「うまく描かなくちゃ」、「こうやらなきゃいけないんだ」と思うような、つまらない授業にはしたくないと思っています。自戒もかねてここに記しました。
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