“「 」から始めよう”
さあ、何からはじめる?
6年生の最初の図工の授業は、
そんな問いかけから始まりました。
「席替えですか?」
「工作?」
「あ、去年の6年生は桜の絵を描いていた!」
「そうだ、桜の絵から始めよう!じゃない?」
「正解!」と言いたいところですが、
違います。
正解は
「お花見」から始めよう。
それを聞いて「いいね!」と嬉しそうな6年生。
ですが、ただのお花見ではありません。
みんなが「お花見」をしようと思ったら、
まず初めに何をしますか?
「外に行く」
そうだね! では、その次は?
「場所取り?」
そうだよね。
まずは、「この桜が好き」という
お気に入りの桜の木をひとつ選んでください。
そして、さらに
「この角度から見るのが一番好き!」
というお気に入りの角度・場所を見つけてください。
「一番きれいな桜」というのは、
人によって違っていいので、
「自分にとってのお気に入り」を見つけましょう。
そして、「お花見」を始めます。
よーく見てください。
目だけでなく、鼻や耳や手を使って見てみましょう。
さあ、どんな感じがする?
感じたことを、
1枚の画用紙にスケッチしてみよう。
見えるものを見えるように描くのなら、
カメラで撮れば済んでしまいます。
カメラには写らない、目には見えない
「感じ」を絵に表してみよう。
10分で描き始める人もいれば、
1時間かけて「お気に入り」を選ぶ人もいました。
「お気に入り」を一つ選ぶということは、なかなか難しいことです。
「どれでもいいや」ではなく、「これじゃなくちゃだめ」という
こだわりを見つけるには、時間がかかるものです。
自分のペースで、自分の「感じ」を探します。
いざ、絵を描こうとすると、
自然と「もっとよく見よう」と思う。
絵を描くことが目的ではなく、
「見ること」「感じること」が目的。
描くことは、手段なのです。
一人一人が感じたことは、
目で見ることができませんが、
その軌跡をスケッチから見ることができます。
次回は、粉絵の具や水彩絵の具を使って、
自分の「感じ」(絵)に色を加えてきます。
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