感じたままに鉛筆で描いた桜のスケッチ。
目に見えるものではなく、
目には見えない、自分の「感じたこと」を、
全力で表しました。
そこに、絵の具で色を乗せていきます。
まずは、木の幹や枝を。
桜の木が成長するように、
力強く色を乗せていきます。
そして、そこに花が開きはじめます。
明るいところと暗いところで、花の色は違います。
さくらはピンク色じゃない!
自分でさくらの色をつくります。
描き方は一人一人違う。
自分流の描き方で良い。
大切なのは、誰とも違う「自分」であること。
自分にしかつくれない色をつくり、
自分にしか描けない絵を描くこと。
点と点を重ね合わせていくと、
紙の上で色が生まれていく。
いろんな色が重なり合うことで、
新しい色が現れていきました。
花びら一枚一枚を描き、
おしべめしべも一つ一つ描いています。
「できました!」と報告してくれた子に、
「本当に? こうしたら、もっと良くなるんじゃない?」
とあえて、一度考えてもらうようにしています。
すると、
「いや先生、この方がいいんですよ!」とか、
「私もそう思ったんだけど、いろいろ試してみて、
これが一番いいと思ったんです」とか、
自分の絵に対する思いを話してくれます。
そういう思いを語ることができる6年生が、
本当に素敵だと思います。
「先生、これでいいですか?」ではなく、
「先生、これすごいでしょ!」と言う6年生。
誰かに言われて始める表現は、本物ではありません。
自分からはじまり、自分で終えられる表現を、
何よりも大事にしていきたいものです。
完成した作品に、題名をつけます。
この作品は、自分が見た桜の好きなところを
表現しているとても素敵な作品です。
題名の札の形も、桜の花びらになっていて、
最後まで見る人を楽しませてくれます。
どの作品も紹介したいものばかりですが、
その中のいくつかをこの場で紹介します。
《掠れ火帝王(かすれひていおう)》
火の帝王というように、
炎のように咲き誇る桜を描いています。
《一部分桜》
大きな桜の木の中から、
自分の好きな部分だけを切り取って描いています。
《桜嵐》
桜の木が放つ力強いエネルギーを
「嵐」に例えているようです。
《雲がくれにし太古なる桜》
時空を越え、「太古」をも表す想像力に驚かされます。
《春の陰影(はるのいんえい)》
この絵の主役は「陰影」なのでしょうか。
桜という明るくきれいな花に、影を見る。
その視点が面白いですね。
《無限桜》
満開の桜に「無限」を感じた感性のすばらしさ。
そして、それを正直に、思いのままに表すことのすごさ。
一人一人の「感じたこと」が、
ありのままに表現されている作品一つ一つに感動します。
6年生の「感性」が、次にどんなものをつくりだすのか、
これからが楽しみです。
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