絵を描くってどういうことだろう。
自分が筆と絵の具を使って描いているようで、
本当は、絵の具や筆が私たちに絵を描かせているような。
そんな気がすることがあります。
今日は、絵の具に身をまかせてみます。
絵の具の声に耳をすませて、
頭をからっぽにして、絵が生まれるのを待ちます。
そして、そこから自分なりの「美しい」を見付けてみましょう。
まずは、画用紙にたっぷり水を塗ります。
そこに、絵の具を置いてみたり
それを泳がせてみたり
絵の具をちりばめてみたり
息を吹いて絵の具を動かしたり
自分の思い通りにはいきませんが、
絵の具の言うとおりにしたがってみます。
絵の具がいっぱいになったら、
紙の外へ逃がしてあげます。
いろいろな色が混ざったり、はじいたりして、
なんだか不思議な模様が浮かび上がってきました。
これは、自分にとっての「美しい」かも!
満足のいく「美しい」に出会えるまで、
何枚も繰り返します。
よし、これが最後の一枚。
「こんなものを描きたい」という意志が、
かえって邪魔になることもありました。
「失敗しちゃった」とあきらめて置いておいたら、
知らないうちに、にじみ合って、きれいになっている。
「失敗! でもこれも絵の具がつくった偶然!」
そんな声も聞こえてきました。
「失敗か成功か」
ではなく、絵の具に身をゆだねて、
そこで起こった色の「奇跡」を受け入れて、
楽しめたら絵を描くことが楽しくなりますね。
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