2015年6月3日水曜日

5年生 ティンカリング 遊びの中で学ぶ時間

「ティンカリング」という言葉を知っていますか?
tinkeringという言葉には、
「(間に合わせで)修繕する」「いじくり回す」という意味があります。
「下手な職人」という意味もあるそうです。
手を加え、いじくり回すことで、直したり、つくったりする。
下手でも、とにかくやってみるという心構え。
 
この「ティンカリング」という言葉は、
図工の時間の子供たちの姿を、
とても端的に表していると思います。

まず、自分の興味に従って、何か手を加える。
ところが、思うように上手くいかない。
じゃあ、これなら上手くいくかな? と再び手を加える。
そのように試行錯誤しながら、どうにかする。

何より大事なのは、
自分の興味・関心や好奇心に導かれて、つくりはじめること。
次に、その中で問題を発見すること。
そして、その問題の解決に向けて、持ちうる手を尽くして
どうにかする(解決する)こと。

例えそれが、大人からしたら、稚拙で、無駄で、間違ったやり方でも、
全力で認めて、応援してあげるべきでしょう。

自分で失敗しない限り、
成功する方法を見つけることはできないからです。

どこかに正しい方法があるのではなく、
自分でチャレンジする中で、(自分なりに)一番よい方法を発見する。
間違いや失敗はありません。
間違いや失敗だと自分で思うのなら、
どうすればいいのか、再び自分で考え始めるはずです。

それは「遊び」に似ています。
遊びの中に、正しい方法や失敗はありません。
だから安心して挑戦できる。実験できる。
その挑戦と実験の中で、
子供たちは必ず、何かを学んでいるはずです。

もともと、学びは、偶然発見する(セレンディピティ)という形で突然訪れ
あらかじめ計画できるものではないのかもしれません。

それでも、どのようなこと−−題材(テーマ)、材料、道具、
場の設定、時間の設定などなど…−−が、
子供たちをより充実した発見や学び(偶然も含まれるでしょう)に導けるか、
意図的に企図・設計することは、できるかもしれません。
 
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この日も、5年生は「ティンカリング」していました。
ベニヤ板ではうまく表せないヤシの葉をどう表すか悩んでいました。
「ベニヤ板以外も使っていいですか?」
それが、最善の方法ならもちろん!

さっそく紙テープを使って
ヤシの木の葉を表しました!

それをヒントにした子が
スズランテープで葉っぱを表し、
アルミホイルで鳥の卵を表しました。
こうして様々な材料の可能性に気がついていきます。
 
「この蝶番よりも大きく開くのありませんか?」
「引き出しの中を探してごらん」
「あ!いいの見つけちゃった!」
蝶番でフタを開閉できる小物入れをつくりました。

「目指していた塔はできたけど・・・何か足りないな」
1時間悩んだ結果、
自分のつくった塔を、見る人に楽しんでもらうために、
宝探しを仕掛けることにしました。

アリを捕まえる仕掛けをつくった!

うまく捕まえることができるか、実際に外へ出てテストしてみます。
うまくいったかな??

家でレゴブロックでつくってみてうまくいったから、
今度はベニヤ板でつくってみることにしました。
鍵をかけられる小物入れの完成!

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図工の時間では、
ティンカリングという遊びと学びの接点を大事にしたいと思います。
 
子供たちに、遊ぶことを認めたい。
その中で、自分でリスクをとり、挑戦し、実験すること、
自分で失敗し、解決することを認めたい。
 
図工の時間は、ものをつくることや表すことを教える時間ではなく、
ものをつくったり表したり(ティンカリング)する
直接体験と試行錯誤の時間を通して、
自分の学び方、自分の生き方を探っていく時間なのです。
 

3年生 一本の線が走る!

一本の線で
何が描ける??

黒板にチョークで
一本線のバトンリレーをしました。

次から次につながって・・・
とうとう最後はスタートに戻りました!
正真正銘、これで一本の線です。

今度は、自分で一筆書きにチャレンジ。
どんなものが描けるのかな??

一本の線に引き込まれるように、
もくもくと集中しています。

一本の線だけで、こんなに描けたよ!

一本の線で、何でも描ける!

そう話す3年生に、
毛糸とテープを渡しました。
これでも描ける??

 広い階段の壁に
一本の線が走ります。

点と点を結ぶ線が、
いろいろな形に変わり、
いろいろな絵が現れ始めました。

全身を使って!


引っぱる、テープを切る、貼る・・・
チームで力を合わせないと、
上手くいきません。 

 できた?
できたできた!

一本の線の冒険は、
行ったり来たりして、
壁いっぱいに広がりました。

階段の手すりを、ドラゴンが滑り降ります!

階段をくだっているのは、だれかな??

階段の踊り場に、巨大な猫!
風が吹くと、線が揺らされて、
動きが生まれました。

3階から2階へ降りる階段には
実物大くらいの大きなサメがタコを狙っていました! 

毛糸の一本の線が、
学校の中の風景を変えてしまいます。
一本の線だけで、こんなに景色を変えてしまう
3年生に驚かされました!

2015年6月2日火曜日

4年生 「?」の種 発見

『ジャックと豆の木』というお話知ってる?
4年生に聞くと、ほとんどの子が知っていて、
お話を教えてくれました。
 
この話の中で、
ただの豆だと思っていたものを庭に捨てたら・・・
なんと、雲の上まで伸びる大きな大きな豆の木が生えてきます。
そんな何かが生えてくるかもしれない不思議な種と
ある日、運命的に出会ってしまったとしたら、
それはどんな種だろう??
 
 
自分の想像する「?」の種って
どんな形? どんな色?
 
紙粘土に絵の具で色をつけて
 
イメージを広げながら、
種をつくります。
 
つくっているうちに種に名前をつけたり
 
つくりながら、どんな芽が出てくるのか
想像がふくんできました。
 
バナナの形をした種。
何が出てくるのかな?
 

「?」の種だから
あやしい色の種にしよう!
こんな種があったら、
まきたいような、まきたくないような・・・
 
にじ色の種があったら
わくわくしますね!
 
5色の種と葉っぱが一枚
一つ一つ、意味がありそうですね。

つくりながら、ひらめく。

つくったものが、次に何をつくるかを教えてくれる。
 
つくる ということは、
自分と 自分のつくったものと
対話すること。
 
自分でも思いもよらないものが生まれてくることも。
 
できた!!

「すごい種でしょ!!」
 
どの種も、植えたらどんなものが出てくるのか、
楽しみになります。

この種は、空を飛ぶのかな??
 
天使の種と悪魔の種
何か物語がはじまりそうです。
 
地球の種?

5つの種!
 
お団子の種!?

一人一人、自分が想像したことを、
友達に伝えていました。
この想像の世界をふくらませ、
次回は種をまいてみましょう。
 
どんな芽が出て、どんな葉がつき、
何が実る? どんな花が咲く?
楽しみですね。