子供たちが一番熱中しているのは、遊んでいるときです。休み時間に遊んでいる子供たちを見ていれば、それがわかります。自分たちでルールを決め、自分たちで遊びを考え、いろいろな発見をし、そして、たくさんのことを学んでいきます。遊びは、とても創造的な活動なのです。
そのような「遊び」のよさを、「学び」に結びつけようとうする活動が、図工の造形遊びなのです。
「造形遊び」という言葉を使うと、「授業なのに遊んでいいのかな?」とつぶやく子供に出会うことがあります。しかし、遊びに勝る学びは絶対にありません。大事なのは、遊びの中の発見や創造を「学び」に変えていくことです。
さて、今日の活動場所は視聴覚室。 材料は、紙コップだけです。
たった1つの紙コップをみんなで観察するところから授業は始まりました。「これは何でしょう?」と聞くと「紙コップ」と大きな声で答えてくれました。「え? 本当にそうかな?」
授業がはじまって20分後には、下のようなタワーが出現しました。
自分たちの身長を超えて伸びるタワー |
途中から大人も一緒に活動しました |
下から見るとどう? |
下から見るとこんなふうに見える |
「ここはね、私たちの家なんだよ」 |
「これは僕一人でつくった町だよ」 |
くずれた形を生かしギザギザになりました |
紙コップのなくなった教室で、大きなスクリーンを使って、写真を見ながら今日の活動をふりかえりました。みんなの想像力が、教室を別の場所のように変えてしまうことを知りました。
そして、最後に再び、たった一つの紙コップを見て、「これは何ですか?」を聞いたとき、もう誰も大きな声で「紙コップ」とはいいませんでした。子供たちにとって、これはもう、ただの紙コップではなくなったようです。
*プログラム提供 : 深沢アート研究所、キッズクリエイティブ研究所
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